イルカはとても好奇心が強い生き物なため、海に入っている人間や、ボートが作る波に反応し近づいてきます。
イルカには健常者と何らかのチャレンジを持った人間を見分けられるといわれており、また、その反応も違うといわれています。例えば、何らかの障害を持った子供が海に入るとじーっと、観察するような行動を取ったり、ゆっくり周りで立ち止まったりと他のものには見せない反応を見せることがあります。 また右半身が不自由な人間が海に入ればイルカはその人の右側に回り補助しようとします。
それは、イルカがその固体を判別するためにソナーでチェックした際に人間の体の中の何らかの違う反応をイルカが感じるからと言われています。
DAT/DAAについての文献はいろいろありますが、その中でも自閉症をもった子供とイルカの触れ合いが書かれているものが多いと感じました。そこにはきっと”他”、特に生物に対して(人間含め)の興味を示すことが少ないという自閉症の特性を、水の中にいるイルカといった大きく面白い声を出す生物が多少なりとも変化させることがあるといったところからだと思われます。文献からの具体例では、イルカの声を真似てみてコミュニケーションを図ろうとしたりなどです。
自閉症だけでなく、うつ、ADHD、PTSD、など様々な精神的な問題、不安定さ等に効果的であるといわれています。子供の場合は特に”イルカと泳ぐ”ということがとても大きなモチベーションになり、集中力も持続されるのだと思います。
また、もちろんphysical therapyにもとても効果的です。
私は個人的に野生イルカとのセッションしか興味がないので、それに限局して言える事は、相手(イルカ)を尊重した触れ合い、それがDAT/DAAが子供達に送れる大切なメッセージのひとつだと思われます。イルカが狩をしていたらじゃましない、赤ちゃんがいたら飛び込んだり追いかけたりしないなど基本的なルールをイルカとの関わりの中で学ぶことで、人間間においての社会性の発達へと発展していくのではないでしょうか。AATの定義によれば、野生の動物を使っている場合セラピーにはなりづらい、なぜなら、計画性に欠けてしまうからです。アメリカではセラピーと呼ぶためには明確な治療計画、そして評価が必要なのです。たとえそうであっても、私は飼育されているイルカに野生のイルカ以上のセラピー効果があるとは思いません。