1)定義

Animal Assisted Therapy(動物介在療法)

日本ではアニマルアシステッドセラピー、アニマルセラピー、アニマルカウンセリング等、いろいろな名前で呼ばれていますが基本的にアメリカでは精神、社会、身体的問題の治療に動物を参加させ効果の向上を図る医療行為。それは三種類の参加者が必要。1依頼者、2動物 3そしてそれをコントロールするリーダー、Therapistである。そのTherapistには医者、心理学者、ソーシャルワーカー、教師、看護婦などのhealth or human service professinalだけがなれる。また、治療の一環であるのでその治療の計画、記録、評価が必要になる。*アメリカではセラピーは医療従事者が責任を持つ

Animal Assisted Activity(動物介在活動

AAAは治療目的ではなく基本的にはレクリエーション目的。そのため特に医療従事者の管理の下でなくても可能。その活動により依頼者に精神的、身体的な進歩が見られることもあるが、それは偶発的な効果であり理論や計画にもとづくものではない。

Animal Assisted Education.(動物介在教育)

教育の一環として動物とのふれあい、世話などを取り入れる。それは学術的な勉強だけでなく道徳や社会性を養うといった点までに広がる。

 

                                              

 

3)AATの効果・危険性

効果: 動物と関わることによって人間の心身にどのような効果をもたらすのだろうか?
その効果は対象者の年齢、心身の健康状況、場所、動物の種類などにより多岐にわたる。
過去の実証されている研究報告などによれば、水槽の中で泳いでいる熱帯魚をただ観察しているだけ、または飼い犬をなでるなどといった行動を取ることで血圧が下がるがその一例である。

       
生理的利点
       1)病気の回復、適応、病気との闘い
       2)リラックス、血圧やコレステロール値の変化
       3) 神経筋肉組織のリハビリ(特に乗馬療法)

       心理的利点
       1)元気づけ、動機の増加、活動性(多忙)・感覚刺激
       2)リラックス、くつろぎ作用
       3)自尊心・有用間・優越感・責任感などの肯定的感情、心理的自立を促す
       4)達成感(特に乗馬療法)
       5)ユーモア、遊びの提供
       6)親密な感情、無条件の受容、他者に受け入られている感じの促進
       7)感情表出(言語的・非言語的)、カタルシス作用
       8)教育的効果(子供に対して)
       9)注意持続時間の延長、反応までの時間の短縮
       10)回想作用
       11)自分の境遇と重ね合わせる

       社会的利点
       1)社会的相互作用、人間関係を結ぶ(触媒効果・社会的潤滑油)
       2)言語活性化作用(スタッフや仲間との)
       3)集団のまとまり、協力関係
       4)身体的、精神的な独立を促進する (盲導犬、聴導犬など)
       5)スタッフへの協力を促す

生理的利点においての評価は数字で可能であるが、心理的、社会的効果を科学的に証明しようとするととても難しくなってくる。なぜならそれらの変化を見届けるためにはとても時間がかかるし、数字で表すことが不可能な場面が多かったり、いろいろな効果の重複であったりするからだ。そのため、文献も事例物が多くなってしまうのだと考える。そこが他の治療と異なる所で、例えば薬のようにこの症状のある子にはこの薬を何ミリグラム何日間投与するといったマニュアルにはなりえない。 

危険性: AAT/AAAの大きな特徴として介在対象が生き物であるということ。それが大きな効果を生み出す誘引である半面、動物に関する知識が十分でないとセラピーは成り立たないばかりかクライアント、動物共に危害を及ぼしあう可能性がある。また、アレルギーや人畜共通感染症などもきちんと考慮されるべき重要な点である。例えば、ストレスがたまっている犬はセラピー犬には適さない。では、犬のストレスサインは?それを理解していなければセラピーは効果的には行われない。そこが道具を使ったセラピー, 例えば音楽セラピー等とは違って、危険すら伴ってきてしまう。そのためクライアントと動物両者に関する豊富な知識、そして尊敬を払って始めてAAT/AAAは効果的に行われるのである。


ひとりごと、、、。

 Animal Assisted Therapyを勉強し、Greenchimneys, WaterPanet等でのインターンを経て強く思うのは、日本は日本独自のAATが必要だと言うこと。アメリカでのインターン中何度も動物と人間との関わり方に関するスタッフ、または子供達の理解しがたい言動を見かけたり、AATを初めて聞く日本人に紹介したときに”人間のエゴ”だといわれたり、、。AATはアメリカで何十年もかけて発展してきたものでぽっと出てきたものではない。そして、日本とアメリカ(西洋)における文化、習慣、宗教、そして動物と人間の付き合い方の違いはとても大きく、それらはAATのありかたにとても深く関わってくる。アメリカでは動物は人間に使えるために神により造られた、そのためもありしつけをするのは当然、しないのは飼い主の恥なのである。一方日本は自然体でいることにポジティブな感情を持つため、それがかわいそうなことと取られることが多い。 これは単なる一例で、その他にもAATに影響を与えるであろうアメリカと日本が持つ因子の違いは大きい。ただ単にそっくりアメリカが行っていることを真似るのではAATは日本では認知されないし発展しない。日本は日本人の文化にあったオリジナルのAATを作り出さなければいけない。日本でもAATはいろいろな名前であはるが広まり注目を浴びてきている。これからというこの大切な時期に間違った方向にいかないといいなあ、、、と考えるばかりである。 
もうひとつ何年か前に動物に関するある人気番組がGreenchimneysのドキュメンタリーを放送し、最後にゲスト達が涙しているときに一人の司会者が「これは奇跡ですよ!!」とのコメントを、、、それを聞いた私はがっかりしてしまいました。テレビで見れば1時間弱の出来事だけど、その結果を見るためにはたくさんのスタッフと何年という月日が必要なんです。もしAATが奇跡であるならばそれはセラピー(治療)ではないんです。私達は奇跡が起こるのを待っているわけではく、理論と裏づけのもとに綿密な計画を立て評価をし、また計画を立て直し再評価をし、といった地道な努力の結果なんです。そういったところからも日本でAATをきちんとセラピー、治療として位置づけるのはほんとにむずかしいだろうなあ、、、と感じてしまうのです。

              

                              

Animal Assisted Therapy --- 動物介在療法
2)歴史

1961年にアメリカのレビンソンという児童臨床心理学者が飼い犬のジングルスがクライアントの治療に与えた効果を論文で発表したのが最初。AATの父と呼ばれている。
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