AATに興味がある人ならきっと一度は耳にしたことがあるであろうNYにあるAATで有名な情緒障害・学習障害のある子供のための長期療養型施設、グリーンチムニーズ。そこで生活する子供、または通ってくる子供は100人以上、そしてほとんどの子供が何らかの被虐待の経験があります。そして、地域の学校には通えない、しかし病院に入院するほどではないといった狭間にいる子供達です。施設内には学校、寮、幼稚園、ヘルスセンター、そしてファーム・野生動物リハビリテーションセンターがあります。そこでは精神科医、小児科医、心理学者、看護婦、特殊教育専門教師、ソーシャルワーカー、動物の専門家、野外活動専門家、そのほか様々な専門家達が力を合わせ子供達の行動や情緒が安定し再び地域社会へ帰り機能できるようになるため活動しています。
AATCertificateProgramの授業の半分はそこのファームで、そしてCertificate取得後にはGCで4ヶ月間のインターンをしました。
大学の授業は心理学と動物学の組み合わさったもの。心理学は日本の看護学校で勉強したから辞書をひきひき想像でも何とかなったけど、動物学は私にとってまったく新しい分野だったのでかなり苦労しました。例えば犬って言ったらDOGでしょ、でも、動物学ではKanainとかいうまったく違う単語になっちゃうんです、、。でも、AATをやっていく上では動物の行動特性を知ることは人間を知ることと同じくらい大切。それを知らないとAATは効果的には行われないし、最悪の場合どちらかにとても大きなマイナスの影響を与えてしまう可能性もある。なのでとてもためになったと思う。
ちなみにクラスメイトは年配の経験をつんだソーシャルワーカー、獣医さん、先生など彼女達からの情報もとても勉強になった気がする。
インターンは9月から12月。NYのアップステイトはかなり寒く真冬の気温は毎日マイナス。私は”馬小屋担当”。一日のスケジュールは朝7時にまずアヒルやガチョウたちにえさをやって、それから朝一番の担当の子供を迎えに行き夜の間道路を挟んだ大きな土地に放された馬達を迎えに行き、子供と一緒に馬小屋へつれて帰り餌、水、干草を与える。そしてみんなで朝ごはんを食べにカフェテリアへ行き子供達を教室に送る。そして馬小屋へファーム、乗馬のクラスが来る。クラスの手伝いが必要なときは手伝い、手が空いているときは担当の子供をクラスへ迎えに行きマンツーマンで動物の世話をしたり、馬小屋の掃除をしたりして一日が過ぎていく。時には施設の中にある保育園へ年長の子供と行きポニーライドを行ったり、ファームオンザムーブというコミュニティー活動(greenchimneysの動物を病院や商店街、学校などに連れて行き動物と人間の触れ合い活動)を行ったりする。そして、夜の餌やりをおえ帰宅といった感じ。帰宅後は一日で自分が担当した子供達のプログレスレポート作成。そんな生活の中で私が見たグリーンチムニーズにおけるAAT・AAAとは、、、。
私のインターンシップはサーティフィケート取得のためのものでもあったので大学のファイナルペーパーも同時に書かなければならなかった。ちなみに私の書いたレポートは
”Positive Effects of Psychotherapuetic AAA in a Farm Based Program at
Green Vhimneys"
-グリーンチムニーズにおけるセラピー的なAATの効果”。内容はこんな感じ、、、、。
”動物と関わることによって人間の心身の状態に変化が及ぼされるのはなぜだろうか? 動物の存在や動物とのかかわりによる人間における変化との間にはどのような心理的機構や生理的機構が介在しているのだろうか?そしてどのようなプロセスを経て機序しているのか?
4ヶ月間のGreen Chimneysでのインターンシップを通して実際にさまざまな子供達と主に動物を媒体として出会い、関わっていく中でその子供と動物との間に存在するさまざまな形やレベルのBonding(絆)やRelationship(関係),
また、それらの形による独特で様々な子供に与える効果を学ぶことができた。
そこで、現在存在する実験結果報告や仮説、約一年におけるAATの授業を通して学んだ私の視点から見たGreen
Chimneys Farmにて行われているTherapeutic Animals Assisted Activityの主に子供に与える心理面、人間関係形成に置ける、Positive
effects processを時間の経過、その動物とその子供との関係の進展により三段階、presence
of animals in child’s sight as a first effect(子供の視界における動物の存在),
short-term effects as a second effects(短期効果), and Long-term effects
as a third effects(長期効果),に分割しフローチャート化に試みて見たいと思う、、、”
と、こんな感じ。英語で書いた論文を日本語に訳したから言葉が変かも、、、。
まとめ
何年か自己流でAATについて勉強してきたけど、結局まだ何もできていないのが現実です、、、。アメリカで勉強して強く感じたのが宗教や文化の差。それは日常生活だけでなく学問にも大きく影響してきます。アメリカにおける動物と人間の関係は日本におけるその関係とは少し違った所があります。キリスト教では、神はまず人間を作り、そして動物を使われるために作ったとされています。だからアメリカの人たちは動物をすごくかわいがりますが、それと同時にしつけにはかなり厳しいです。私は日本で生まれ育ったからなのか、人間も動物もみな平等、自然に生きることが幸せ、みたいな土台があります。いったいそれが宗教なのか文化なのか、それとも両親の教育からなのか不明ですが一時期ジレンマに陥りました。でも、そんな所からまず動物に関して学ばねばという意欲、そしてグリーンチムニーズやWater
Planet(Dolphine Assisted Therapy)のような動物達を尊敬し共存するというスタンスである場所に落ち着いたのかもしれません。